思い出(2)
保護施設からちまきちとおマサを引き取って、一緒に過ごしていくうちに、サイトにたくさん載っていた他の子はどうなるんだろうと気になって仕方なくなりました。
全員を引き取るなんてもちろんできない。
でも、まだ助けを必要としている子はたくさんいる。
そう思うようになって、保護施設を自分でもできないかと考えるようになりました。
そこで、ちまきちとおマサをお世話してくださっていた保護施設に向かい、保護施設を始めるために必要な事などを伺いにいきました。
ボランティアさんとの付き合い方、資金の調達、乳飲み子達の致死率、人間に悪さされ心を閉ざした子、色んなお話を伺う事ができました。
保護部屋も見学させていただきました。
人慣れした子達が沢山いるガラス張りの部屋と来てまだ間もない人慣れ修行中の子達がいる部屋。
修行中の部屋と言っても、子猫ばかりなので元気もいっぱいでシャーシャー言ってる分には可愛さしかありません。
人慣れした子が集まる部屋は、人慣れしたと言えど、こちらは成猫や子猫、老猫と様々です。
遊びたい盛りの子猫達もいれば、看取り看護をしている老猫、警戒心もまだある成猫、甘々になれている子。
その中で、1人人間が動く度に、部屋の隅っこの物陰をひたすら逃げ回る子がいました。
近くに来た時に、軽く触ってみましたが、まぁ逃げる逃げる。
威嚇こそしないけれど、ビビり倒していて、触られないためなら、どんな隙間もどんな高いところにも登るような子でした。
実際、保護施設の人でも触る事がほぼできないので、譲渡対象にできず、かなりの時が経っていたようです。
私は、この子を引き取る事に決めました。
ただ、何せ触る事ができないので、キャリーの中に入れることができません。
保護施設内に捕獲器をしかけようか。。と保護施設の人もかなり頭を悩ませておられました。
捕獲できたタイミングに譲渡日を合わせる事にしました。
そして。
小さくしたケージに1人で入っていたタイミングがあったので、そのままドアを閉めて確保ー!!!!!!!!
そして、そのケージ毎の大移動!
そうやって、ふさたろうは我が家までやってきました。
来た当初
数日この状態が続きますが、私はご飯とお水を持って行く以外は大きな音を立てたり、無闇に近づこうとしたり一切せず、ただただ待ちました。
すると、
こんな姿を見せてくれるようになりました。
これで安心と思ったのも束の間。
おマサがふさたろうを追いかけるようになりました。
そこから、ふさたろうは2階の押入れに立て篭もり、一切出てこなくてなりました。
ご飯とお水は持っていくと、元気に平らげます。
トイレの時は私のいない隙を狙ってしているのだろうと決めてかかっていました。
数日後。
どうしても気になり、押し入れを確認すると、しまっていた冬物の服やコート類がふさたろうのトイレになっているのを発見しました。
そこまで事態が大変だっただなんて考えていなかった、自分の甘さに情けなくなりました。
ふさたろうにはどれだけ嫌な思いをさせただろう。本当に余程のストレスがかかっていたんだと思います。
大至急、服は全部退けて、私の荷物は全部出し、押し入れを綺麗に掃除して、コタツも入れて、押し入れをふさたろうの部屋に改装しました。
それからも、毎日押し入れにご飯やお水を運ぶ毎日。
そうして、押し入れ生活が始まって3ヶ月。。
遂に変化が起きました。
ふさたろうが、触っていいよって言ったのです。
私は恐る恐る手を伸ばすと、嫌な素振りどころか、甘える仕草でナデナデを受け入れます。
この時は、本当に感動しました。
ふさたろうのおかげで、ちゃんとその子に見合った環境を整えてあげて、その子に見合った対処をしていると、心を開いてくれると実感しました。
保護施設もそんな保護施設にしたいと思うようになったのは、ふさたろうがきっかけです。
今でもかなりのビビり屋ふさたろうだけど、でも確実に以前とは違います。少しずつ自信が付いてきたのかな?
今では、つむぎの教育係をしてくれたり、コタツからたまに鳴るパチンの音にびっくりしたり、大忙しのふさたろうです(笑)
これは、小梅
あやちゃん