保護主の心得
猫相談を受けていて、ぼんやりと考えたので、覚え書きの意味でも残しておこうと思います。
猫相談は、初めて猫を飼うご家族。
片目の、少し臆病な性格の大人の子を迎え入れたばかり。
今まで問題もなく元気だったのに、今朝から鼻が詰まった様子で朝ごはんを全く食べないとの事。
お子さんは、猫が死んでしまうのではないかと泣いている。
病院がまだ開いていない時間だったので、その前に何か話を聞きたいとの事でした。
詳しく状況や詳細の確認をしていくと、おそらく猫風邪の初期段階。
今すぐに死ぬような状況ではなさそう。
そこから色んな話をしました。
病院によって考え方、治療、料金が違う話、病院へ連れて行く際の注意事項、病気の話、猫と住む環境の話、等々。
そして、死について。
猫を迎え入れたばかりのお子さんのいるご家庭。
今回は死に至るような状況ではないけれど、でもその子が死ぬ事についても考えてもらいたい。
猫と人間が一緒に住んでいて、猫が人より先に死ぬのはとても重要な事。
人が先に死んでしまう事ほど、辛く厳しいものはない。
猫を飼うというのは、極論、その子の最期を見届ける事のように思います。
その上で、どんな時間を過ごすか。
子供にそんな辛い事を考えさせるなんて。
もちろんナーバスな内容なので、お子さんの性格や状況を見ながら、ほんの少しの時間でもいい。
ご家族で話し合ったり、確認する時間を設けて欲しいなと思いました。
私のように小さい頃に一緒に育った猫達の死を間近で何度も色んな形で経験するのも方法の一つ。
でも、それは中々ない環境だと思うので、出来る事は話し合う事。
それでも十分だと思います。
重要なのは、寿命の長さではありません。
寿命は短くても長くても、何も関係ない。
その子がどんな風に生きて、どんな風に死ぬのかという事だけ。
飼い始めだから、死が訪れないわけでもない。
だからこそ、飼おうとする前から、もしくは飼い始めてすぐにでも皆んなで死について考えて、共に生きて欲しいなと感じます。
私たち保護団体は、ペットショップとは違う。
可愛い。
人慣れしている。
血統書がついている。
そんな理由で猫を売っているわけではない。
猫は人とは全く違う習性を持つ生き物で、同じ猫でもそれぞれに違いがあって、そして人より早く死ぬ。
ただ、猫は自分や相手に病気や障害や違いがあっても何も構わない。気にしていない。
それを自然のものとして受け入れている。
好きか嫌いかは別として受け入れている。
私たちはその事を知っている。
ペットショップとは違って、その1番大切な、そんな猫と過ごす素敵な時間を、私たちは伝えていけれたらいいのかなと思います。
里親さんを探す時も、この子は人慣れしていて可愛いという理由ではなくて、その子と過ごす時間を想像できるような、そんな譲渡に繋がればと思います。
私たちが保護施設等で猫達と過ごす時間も、同様に大切で素敵な時間となるように。
それは保健所では出来ない、私たちの役割。
『繋ぐ』
ヤモリ出現!
ここにもヤモリ!