CozyCatShelterのブログ

猫の保護活動を始めました。保護施設Cozy Cat Shelterと老猫ホーム「気ままな猫の家」をしています。進んでいく上で数多く悩むと思いますが、応援よろしくお願いいたします!

小さな葛藤

今の話ではありません。

以前、猫相談を受けていた時の事で、当時は憤慨しすぎて方向性が見えなかったので伏せていました。

でも、今でもよく思い出して、結局方向性が決まらないので、落ち着いた状態で書いてみようと思います。

 

人慣れしていない4歳ぐらいの保護猫(おそらくトラウマあり)をほとんど引き継ぎもなく引き取った(丸投げされた?)、猫を初めて飼う人の話。

人慣れさせる方法を知りたいとの事でご相談がありました。

私は、これまでの経緯、今気付けるその子の性格、環境、色んな事を伺いながら、方法をお伝えしました。

選んだ方法は、時間も根気もかかる方法。

でも、猫の信頼を得られれば、末永く猫も人もよい距離感で過ごせます。

事前にその事もお伝えして、どれぐらいの期間、何をする。

どこまで行けば、次のステップに移行する。

ここまで行けなければ、一個戻る。

など、項目とゴール、目安期間、注意点、心構え等最適だと思うものを全体像、今のポイント共にお伝えしていました。

 

初めは順調に、一歩ずつとてもゆっくりだけど進んでいて、とにかく焦らず無理に何とかしようとせず、安心していいんだよと言う事だけを伝えましょうと取り組んでいました。

次第に、猫はケージ内の隠れ家から姿を出してくれるようになり、少しずつ撫でられるようになり、部屋にも出てきて近くでご飯を食べるようになり、喜びの声も届いていました。

 

でも、まだまだ安心しきっているわけではありません。

結果を急がず、猫の状態を見ながらゆっくり継続しましょう!と伝えていました。

 

なぜなら、その方はプライドが高く結果主義の方だったので、予め釘を刺しておきたかったのです。

 

しばらく連絡がなく、久しぶりに連絡が来たら、猫の状態は元に逆戻り。

聞くと、私がやってはいけないと言っていた事をいくつも繰り返していました。

ご飯を食べている時に触る、部屋で隠れている所を探し出す、隠れて欲しくないところに入ったなら追い出す。。。

猫は人がいるとケージの中の隠れ家から出て来なくなりました。

 

注意と改めて流れを組み直し、かかる時間や工程を伝えます。

すると、忙しくて毎日時間が取れない、自分の時間がなくなる、皆さんそんなに猫ばかりに構っているのですか?と仰います。

期間は要しますが、1日でかかる時間、すべき事は本当にしれています。

寧ろ、構いすぎないのが鉄則だからです。

私は、それが難しい、望ましくないなら、その子を飼う事は難しい、他の方に育ててもらった方が良いと伝えました。

すると、頑張りますと。

 

当分は順調に出来ているのを再度確認し、今後の展望も伝えます。

 

しばらく連絡は途絶え、久しぶりに来たと思ったら、逆戻りどころか自分が近づくと粗相をしながら逃げまわって困ると。。。

食欲もなくなり、どうしたらいいですか?と。

それは、もはや異常事態です。

 

細かくこれまでの経緯を聞くと、更に衝撃が。

私以外の猫を飼っている人にも、人慣れさせる方法を聞いたそうです。

それは、寧ろ良い事です。

方法はいくつもあって、色んな方法を知って選択できるのは良い事です。

ただ、そのアドバイスをもらった内容が。

 

「猫はご飯をしばらくあげなかったら、お腹が空いて勝手に甘えてねだりにくる」

 

そして、その方はそれを実行しました。

そんなアドバイスをした人間の感覚も信じられないし、それを正として選んだのも信じられないし、実際食べ物をもらえなかった時があるその子にも居た堪れなくて、どうしたら良いか分かりませんでした。

怒りと情けなさとアレコレがぐちゃぐちゃになって混乱しました。

 

私は虐待犯を作りたいわけじゃない。

虐待を手助けしたいわけじゃない。

 

結果的に、私の人慣れさせる方法はまどろっこしく成果が乏しいように感じ、手っ取り早く簡単に出来そうなものを選択したのだと思います。

 

そんな方法と私の遠回りに見えるやり方を混在させては、猫の信頼を取り戻す事は難しく、かと言って、私のやり方に絞る事も本人の性格からして難しそうです。

 

私は私のできる範囲でのすべき事が見出せず、現在はこの案件から手を引いています。

 

私の答えは、その人は、その子を飼うべきではない。

もしくは、猫を飼うべきではない。

です。

でも、諦めるのはプライドが許さず、何とか懐かせたいと思うようです。

 

私が提案するやり方以外に気になる方法があれば、取り入れるのか否か相談しながら進められるなら良かったですが、そうではなくどんどんやり方を変えてしまうので、本来の結果からどんどん遠のいてしまいます。

 

正直、付き合っていられないと思い、手を引いたのもあります。

 

でも、そんな選択をしてしまう人だからこそ、本当に手遅れになる前に、しっかりと手を繋いでその人もその猫も幸せになれるように引いてあげなければいけなかったのではないかとも思います。

 

人の考えを変えるのはとても難しいけれど、気付きを与え続けてあげる事はできる。

 

私はどうすれば良かったのでしょう?

服従させたい人は猫を飼うのに向いていない。

 

 

朝日の中の小梅とあやちゃん

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