CozyCatShelterのブログ

猫の保護活動を始めました。保護施設Cozy Cat Shelterと老猫ホーム「気ままな猫の家」をしています。進んでいく上で数多く悩むと思いますが、応援よろしくお願いいたします!

猫のシャンプー

ご質問をいただいたので、今回は詳しく書いてみたいと思います。

 

猫のシャンプー。

これまでにも何回か話題には出してきましたが、色んな方面からの見解を、時に辛辣に綴っていこうと思います。

 

『猫のシャンプーはどうしたらいいですか?』

よくいただくご質問です。

もちろん、私の答えはいつもこう。

『生涯、シャンプーは必要ないです。』

たくさんの注釈もお伝えしますが、伝えきれない事が多いです。

 

まず、猫はシャンプーしてお風呂に入れる必要はありません。

もともと猫はとても綺麗好きで、起きている時間の大半を毛繕いに充てるほど、自身を清潔に保つ方法を心得ている生き物です。

 

この毛繕いをするという行為は、猫にとってとても重要です。

 

猫は日向ぼっこをする事によって毛にたくさんのビタミンDを生成します。

それを毛繕いすることで舐め取り、栄養にしています。

シャンプーするという事は、せっかく作った栄養を全部洗い流すという事。

本来なら毎日摂取できる栄養を洗い流したのなら、それに見合うサプリメント等で補ってあげていますか?

おそらく、安易にシャンプーしている方のほとんどはそんな事していないはずです。

 

また、猫は砂漠生まれの動物です。

なので、水にめっぽう弱いです。

被毛も撥水できず、水の影響を体にダイレクトに受けます。

シャンプーで危険なのは、洗う事よりも濡らす事。

そして、それを乾かさない事。

ましてこの時期のシャンプーなら、お腹、腋の下、首周り、指の間、体の細部に至るまで完全に乾かし切らなければいけません。

毛の根本から完全に。

でも、私は一般家庭でそこまでの設備があるお家はないと思っています。

乾かせないぐらいなら、洗わないでください。

 

毛の密度が濃くなり、暖かさを保つために柔らかくなっている被毛が濡れたままになっていると、人間が思っている以上に体温も体力も奪われます。

すると、どんどんと免疫力の低い子になっていきます。

ましてや、子猫や老猫、猫風邪のウイルスを持っている子、鼻水やくしゃみのある子は体を濡らしただけで、一気に体調が悪化し死に至る事もあります。

それだけの覚悟を持って、必要だと判断して、シャンプーをしていますか?

 

シャンプーをしようと思うきっかけに多いのが、ニオイが気になったから。

このニオイ。

お尻は当たり前に臭いです。

でも、猫は排泄後、丁寧に舐め取って綺麗にしています。

毛が臭う。

これで洗いたくなる人がいるのでしょう。

何故、毛が臭うようになるか。

病気の理由は除外します。

それは、猫が毛繕いをするからです。

しかも、その毛繕いをしている口腔内の状態が良くないから。

いくら洗っても、毛繕いをする口腔内を整えてあげないと、洗ったそばから臭くなっていくでしょう。

 

猫はいらないニオイを排除して、自分のニオイになる事をとても大切にしています。

それは、ストレス緩和にもなり、心の安定材料にもなります。

シャンプーはその安心すら流してしまい、人工的なニオイに強制的に変えてしまう事。

人間が良いと思う匂いと、猫にとっての良い匂いは違います。

猫が毎日時間をかけて作り上げた匂いを、一気に変えてしまうと、猫の不安は強くなります。

シャンプーをすると、その後猫はしきりに毛繕いしませんか?

何とか一生懸命に匂いを戻そうとしている証拠です。

 

猫のシャンプーは、栄養面、体調面、精神面どれをとっても猫のメリットはありません。

ほとんどが、人間の自己満足です。

それ、本当に猫のためになっていますか?

 

ただし。

もちろん、猫のシャンプーが必要な場合もあります。

外にいる猫を保護したら、全身がノミまみれで一刻を争うような場合の時。

フロントライン等が効くのを待っていられない時は、お風呂に入れるのが効果的です。

でも、子猫や状態によっては、逆効果になる事も多いので、慎重な判断か必要です。

 

他には、長毛種。

長毛種の場合、自分自身で毛繕いをしきれません。

お手入れがどうしても行き届かず、清潔に保てない場合があります。

その時はシャンプーをして、毛の根本から完全に乾かして綺麗にしてあげる必要があります。

日々のブラッシングやいざとなった時のシャンプータオル等で改善できない場合は、自宅ではなくサロン等に行く方が良いかもしれないですね。

 

他には、オムツをしている場合や口腔内に問題があり毛繕いが出来ない場合。

長毛種とも似ていますが、シャンプーが必要になる可能性があるのは、毛繕いが出来ない場合です。

ただし、オムツをしていたり、口腔内に問題がある場合は体調面が気掛かりなので、十分に獣医師と相談の上、必要最低限で実施すべきです。

不衛生になっていると皮膚がただれたりするので、適切な状況判断が必要ですね。

 

あとは、トリモチが付いてしまった時とか。

猫が毛繕いした所でどうにもならない場合は、洗ってあげる必要がありますね。

 

そう考えると、普段室内飼いで元気に生活している子に、シャンプーをする必要はありそうですか?

 

こんなに綺麗好きな猫達が臭くなる原因は、フードが悪いか口腔ケアができていないかが主な理由です。

シャンプーするぐらいなら、もっとその子に合ったフードにしてみませんか?

シャンプーするぐらいなら、もっと丁寧に口腔ケアをしてあげませんか?

大事なポイントは、上っ面じゃなくてもっと違う所にあるはずです。

 

1人でも多くの飼い主さんが、目の前にいるその子ときちんと向き合えますように。

 

戯れ合う橙ちゃんとそらくん

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さくくん

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皆んなで戯れあい

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